学習塾講師の勤務状況
学習塾講師の主な業務は授業です。
しかしながら、教材作り、テストの採点、授業後の質問対応、研修、保護者対応など数多くの業務を行うことがあります。そのため、学習塾講師は長時間労働を迫られやすく、働き詰めになることも珍しくありません。
「生徒のため」、「教育に携わる以上は、個を犠牲にする覚悟が必要」と、誠心誠意、生徒と向き合おうとするために、過酷な労働環境に不満があってもその責任感から途中で投げ出すということができない講師の方々も多いのではないでしょうか?
また、そうした講師の気持ちを逆手にとり、不当に残業代を支払わない企業も少なくありません。
学習塾講師の残業代
そもそも、労働時間とは、『労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間』(最一小判平成12年3月9日)とされています。
つまり、労働時間に該当するかどうかは、労働者の行為が使用者の指揮命令下におかれたと評価することができるかどうか、客観的に定まるものであるとされています。
教材作り、テストの採点、授業後の質問対応、研修、保護者対応などは、使用者の指揮命令下におかれたと客観的に評価することができるため、そのために生じた残業代について未払いの場合は、請求することが可能であると考えられます。
正社員だけでなくアルバイトも:コマ給問題
近年では正社員だけでなく、アルバイトとして学習塾講師を勤めている学生等に対しても、コマ給による残業代未払い問題が発生しています。
コマ給問題とは、個別指導塾等において、授業時間内にしか給料が適切に支払われないという問題です。多くの学習塾では、授業後に報告書の作成や清掃などがあります。こうした授業後の時間に対して適切に給料が支払われないというのが、コマ給問題の典型例です。
しかしながら、この場合においても、使用者の指揮命令下におかれたと客観的に評価することができるならば、そのために生じた残業代について未払いの場合は請求することが可能であると考えられます。
時間外労働をされている講師の方は是非ご相談を
学習塾では、「生徒のため」というような業界の風潮があるかもしれません。しかし、それが強制されているものであれば、残業代を請求することができる可能性があります。
少しでも疑問を感じたら、プラッサ法律事務所(旧:中村・安藤法律事務所)までご相談ください。